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ストレートネックを改善したい!自分でできるストレッチや注意点を解説

猫背・姿勢矯正・O脚

ストレートネックを改善したい!自分でできるストレッチや注意点を解説

執筆者 作業療法士 椎野みいの

監修者 整形外科医 森裕展

「ふと鏡や写真を見た時に、顔が前に出ている気がする……」
「ストレートネックかもしれないけれど、病院に行く前に自分で改善する方法はないのだろうか?」

このように首の見た目や違和感に悩む方は少なくありません。
ストレートネックになると、首本来の「生理的前弯(せいりてきぜんわん)」というカーブが無くなり、筋肉や靭帯に大きな負荷がかかってしまうのです。

近年では、長時間のスマホ使用による首への影響も問題視されています。1)

この記事では、「まずは自分で改善したい」という方向けに、自分でできるストレッチ方法や実践時の注意点をご紹介します。

なぜ首がまっすぐになってしまうのか

首を横から見た際、本来であれば緩やかな「く」の字型のカーブを描いている状態です。一方で、長時間のうつむき姿勢などが続くと、このカーブが失われ、骨の並びが直線状になってしまいます。

ここでは、解剖学的にみた首のカーブの役割と、カーブが無くなる理由について詳しく解説します。

正常な首の「生理的前弯」とは

約4〜5kgもある頭の重さを分散させるために、首は前方に軽くカーブした形状です。首の後ろの中央ラインに指を添え、下から上に指を動かすと緩やかな前方へのカーブを確認できます。

この首の自然な前方へのカーブが「生理的前弯」です。生理的前弯がクッションの役割を果たすことで、首や肩への負担を軽減しています。一方でこのカーブが失われ、まっすぐになった状態を「ストレートネック」と呼びます。

スマホ使用時の「うつむき姿勢」が首に与える影響

(Kenneth K. Hansraj.2014)2)の研究では、首を前に傾ける角度によって、首にかかる負担は変化することが報告されています。この研究によると、首が曲がっていない角度では約5kg、30度前屈すると約18kg、45度前屈すると約22kg、60度前屈すると約27kgの負荷が首にかかることがわかりました。

本来なら骨で支えていた頭の重みを、首の前屈により、後ろ側の筋肉と靭帯で支えなければならなくなるため、過度な負荷がかかります。

また、スマホ使用時は首が前屈する「うつむき姿勢」になりやすい状態です。スマホを1日2〜4時間使用すると、年間700〜1400時間もの過剰な負担が首にかかっていることになります。2)長期的なうつむき姿勢は、首の生理的前弯を失わせる要因となります。

  • ストレートネックのセルフケア、タオル枕についてはこちらで詳しく解説しています。

ストレートネックのセルフチェック

自分がストレートネックかどうか、壁を使って簡単に確認してみましょう。

壁を使ってのチェック方法

  • 1. 壁に背を向けて立つ
  • (かかと、お尻、肩甲骨を壁にしっかりとつける)
  • 2. あごを軽く引いて前を見る
  • (自然に背筋を伸ばし、視線をまっすぐ前に向ける)
  • 3. 自然な姿勢で後頭部が壁に触れているかどうかを確認する
  • (この際、意識して頭を壁に押し付けない)

判定

  1. 【正常】意識しなくても、後頭部が自然に壁につく
    【ストレートネックの可能性がある状態】後頭部が壁から離れているが、意識して引けば壁につく。後頭部が壁から離れており、無理に壁につけようとすると苦しい、またはあごがあがってしまう。
  1. ストレートネックを予防・緩和するストレッチのやり方

  2. ストレートネックの傾向がある方は、以下のストレッチを組み合わせてみましょう。固くなった筋肉を緩めると、改善が期待できます。

    胸鎖乳突筋のストレッチ

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は首の横を斜めに走る筋肉です。鏡を見ながら顔を横に向けると、耳の後ろから鎖骨に向かって太く浮き出てきます。

【ストレッチの方法】

  1. 1. 右側の胸鎖乳突筋を伸ばす場合、左手の手のひらを右側の鎖骨にあて、軽く下に押し下げて固定する。
  2. 2. 顔を左側にゆっくりと向ける。
  3. 3. そのまま、あごを斜め上に突き出すようにして、頭を後に倒す。
  4. 4. 首の右全面が心地よく伸びているのを感じながら20秒〜30秒間キープする。
  5. 5. ゆっくりと正面に戻り、反対側も同じ手順で行う。
  6. あご引き

  7. あご引きはその名の通り、あごを引く動きです。首の深層筋(インナーマッスル)を鍛えて、首を正しい位置に引き戻します。また、あごを引くことで首の付け根のつまりが取れ、肩こりや頭痛の軽減にもつながりやすいでしょう。

    【あご引きの方法】

  8. 1. 椅子に座るもしくは立ち、視線をまっすぐ前に向ける。
    2. 指をあごに添え、あごを水平に後ろへ押し込むように引く。この際、頭を下に下げるのではなく、二重あごを作るイメージで、あごを真後ろにスライドさせる。
    3. 2の姿勢を5秒間キープし、ゆっくり緩める。これを10回繰り返す。

  9. 胸郭開きストレッチ

  10. 首の運動に加え胸を広げる運動も大切です。胸が丸まっていると、ストレートネックは改善しにくくなります。
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  12. 【ストレッチの方法】
    1. 背中の後ろで両手の指を組む。
    2. 肩甲骨を中央に寄せながら、組んだ手を斜め下へ引き下げる。
    3. 鼻から息を吸いながら、胸を大きく開き、視線を少し上げる。
    4. 胸が開いた状態でゆっくり3回深呼吸を行い、吐く息とともに力を緩める。
    1. ストレッチを実施する際の注意点

    2. ストレッチはやみくもに実施すると、かえって筋肉を痛めてしまう恐れがあります。安全に効果を高めるために、ストレッチを実施する際の注意点についてご紹介します。

      痛みが出るまで無理に実施しない

    3. ストレッチは痛みが出る前の気持ち良い程度に伸ばすことが大切です。痛みが強いと、逆に筋肉が硬くなってしまいます。3)

      呼吸を止めない

    4. 呼吸を止めたまま筋肉を伸ばすと、胸腔内圧が上昇し、血圧が急上昇する場合があります。3)ゆっくりとした呼吸を心がけながら筋肉を伸ばしましょう。息を吐きながら伸ばすと、筋肉が緩みやすくなります。

      伸ばしている筋肉を意識する

    5. どの筋肉を伸ばしているかを意識することで、ストレッチの効果は大きく変わる可能性があります。伸ばしたい部分に注意を向けながら、ゆっくりと伸ばしましょう。

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    7. ストレッチ前後は深呼吸でリラックスしましょう。深呼吸の方法はこちらの動画で詳しく紹介しています。

それでも改善しなければ、専門的な診療を行う医療機関へ相談を

ストレッチは予防や軽度の症状緩和を目的としたもので、いつどこでも手軽にできることが特徴です。一方で、治療の代わりではありません。もし、ストレッチ中に腕や指のしびれ、強い痛みを感じた場合は、直ちに中止し、整形外科を受診してください。

また、「自分では継続が難しい」「正しくできているか不安」という方は、病院で理学療法士などのプロの指導のもと実施するのもおすすめです。コツをつかみやすく、継続しやすくなるでしょう。

ご自身の状態を確認しながら、無理のない範囲で首のラインを取り戻していきましょう。

  • ストレートネックの治療についてはこちらのページもご確認ください。
  • 治らない痛みに対する専門的な治療、リハビリテーションはこちらをご覧ください。

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参照

 

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