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寝れないのは坐骨神経痛が原因?夜に腰痛が強くなる理由とおすすめの寝方

睡眠・ストレス・鬱病

寝れないのは坐骨神経痛が原因?夜に腰痛が強くなる理由とおすすめの寝方

執筆者 作業療法士 椎野みいの

監修者 整形外科医 森裕展

「夜、腰の痛みやお尻の痛みで寝れない……」
「寝ようとしたら腰の痛みが強くなって、眠りが浅く辛い」

このように夜間の痛みが原因で十分に眠れず、日中の仕事や家事に支障をきたしていませんか。

腰やお尻の痛みが夜間に強くなる背景には、坐骨神経痛が関係している可能性があります。

坐骨神経痛は病名ではなく、腰からお尻、太ももの後ろ、ふくらはぎ、足先にかけて、しびれや痛みなどが現れる症状です。腰から足まで身体の背面に続く坐骨神経が、何らかの原因で圧迫や刺激を受けることにより痛みが生じます。

本記事では、なぜ坐骨神経痛の痛みが夜間に強くなるのかをまとめました。あわせて、おすすめの寝方や、病院受診をした方が良い症状などもお伝えします。腰痛やお尻の痛みで夜寝れない方が少しでも楽になるよう、ぜひ最後までご確認ください。

坐骨神経痛の症状・原因・治療法は「歩けないほどの痛みを伴うこともある坐骨神経痛」で詳しく解説しています。

なぜ坐骨神経痛は夜間に腰痛やお尻の痛みが強くなるのか?

坐骨神経痛になると、「日中よりも夜間に痛みが強くなる」「痛みで目が覚める」といった『夜間痛』の訴えがみられます。

夜の症状増悪は睡眠の質を低下させ、ストレスや日中の生活にも影響を及ぼす要因となるでしょう。ここでは、坐骨神経痛による腰痛やお尻の痛みが夜に強くなる原因について解説します。

動かないことによる筋ポンプ作用の低下とうっ血

日中は歩いたり立ったりすることにより、足の筋肉が収縮と弛緩を繰り返し、静脈の血液を心臓に押し戻す『筋ポンプ作用』が働きます。

一方、就寝中は体を動かさないことにより筋肉の活動が減るため、筋ポンプ作用は働きにくくなります。その結果、静脈の血液量が増え、『静脈性のうっ血』が起こりやすくなるのです。

脊柱管のような硬い骨に囲まれた空間では、静脈性うっ血が起こると、神経が圧迫されたり酸素不足が起きたりします。こうした変化が、夜間に起こる腰痛を引き起こす一因となります。1)

痛みの感受性は夜間にピークになる

痛みの感受性には24時間周期のリズムがあり、体内時計によって制御されていることがわかっています。2)具体的には、夜中に最大となり、午後に最も低くなる傾向があります。2)

そのため、日中には我慢できる程度の痛みと感じていたとしても、夜間は脳が痛みに対して非常に敏感な状態にあるため、我慢できないほどの痛みと感じられるケースも少なくありません

痛みについては「【医師監修】自律神経と痛みの関係|慢性疼痛の軽減方法とは」もあわせてお読みください。

坐骨神経痛による腰の痛みを和らげるおすすめの寝方(姿勢)

ここでは坐骨神経痛による痛みが少しでも和らぐよう、おすすめの寝方をご紹介します。あわせて、腰痛やお尻の痛みを悪化させる姿勢についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【横向き寝】痛みがある側を上にして、膝を軽く曲げる

横向きで痛みのある側の足を下にすると、体重や布団との摩擦で神経がさらに圧迫されます。横向きで寝る際は、痛みのある側の足が上になるよう、寝る向きを考えましょう。

この際、両膝の間に厚めのクッションを挟むと、上側の足が内側に倒れ込むのを防げます。お尻周りの筋肉の緊張を緩和し、神経への圧迫軽減につながります。

【仰向け寝】膝下にクッションを入れ、骨盤の反りを軽減する

仰向けで寝る場合は、足をまっすぐ伸ばした状態にならないよう、膝下にクッションや丸めたタオルなどを入れて、膝を曲げましょう。クッションを入れることで、腰が反り過ぎず神経の圧迫を防ぎます

より快適な睡眠につなげるための方法を「自律神経を整える睡眠対策と適切な睡眠時間」で紹介しています。

坐骨神経痛で腰痛やお尻の痛みを悪化させる寝方

うつ伏せの姿勢は、神経の圧迫や腰のねじれを招きやすいため、おすすめできません。腰が反ることで、神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫してしまいます。

また、顔を横に向けることにより、首から腰までのねじれが起きやすく、背骨全体への負担も少なくありません。その結果、痛みやしびれが強くなる可能性もあるため、うつ伏せで寝ることは基本的には避けた方がよいでしょう。

枕もチェック「ストレートネック対策にタオル枕は効果的?適切な使い方を解説」してみましょう。

早期受診が必要な症状

以下のような症状が見られた場合、『馬尾症候群』と呼ばれる重度の神経圧迫状態が疑われ、直ちに受診が必要です。2),3)

    • 排尿・排便障害:尿が出にくい、尿漏れがある、尿意や便意を感じにくい、便失禁がある3)
    • 会陰部の感覚麻痺:お尻、股間、太ももの内側の感覚が鈍い、もしくは無くなっている3)
    • 重度の運動麻痺や脱力:足に力が入りにくい、足首が上がらない、両足が動きにく3)
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  • これらの症状が見られる場合、中には緊急の手術が必要なケースもあります。早めの病院受診を検討しましょう。
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  • ひどい腰痛は「デスクワークが関係?ひどい腰痛のときに考えられる病気」こちらもご参考ください。

寝れないほどの痛みは我慢せず、整形外科へ相談

夜間に強くなる腰痛やお尻の痛みは、単なる疲れではなく、坐骨神経痛によるものかもしれません。

寝る姿勢を変えてみても変化がみられないようであれば、我慢せずに整形外科を受診しましょう。さまざまな側面から、解決方法を一緒に検討してくれるはずです。

「いつもの腰痛だから」と放置せず、適切な診断と治療で、ぐっすり眠れる日々を取り戻しましょう。

森整形外科リハビリクリニックでは「痛み解決リハビリ」「治らない痛み(慢性疼痛)専門外来」など、多様なリハビリテーションをご用意しています。

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  • 参考
    1)Tesio L. Low Back Pain: a New Comprehensive Pathogenetic Model Supporting Methods of Medical Rehabilitation. BULLETIN OF REHABILITATION MEDICINE.2023.22(5)
  • https://journals.eco-vector.com/2078-1962/article/view/626086
  • 2) Inès Daguet,Véronique Raverot,Didier Bouhassira et al,Circadian rhythmicity of pain sensitivity in humans, Brain.2022.14;145(9):3225-3235
  • https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36103407/
    3)日本整形外科学会.日本脊椎脊髄病学会.腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)