更年期の腰痛はどんな痛み?40代・50代特有の原因と日常生活でできる対策を解説
更年期の腰痛はどんな痛み?40代・50代特有の原因と日常生活でできる対策を解説

執筆者 作業療法士 丹野愛
監修者 整形外科医 森裕展
更年期はホルモンバランスが大きく変化する時期であり、身体症状や精神症状など多岐にわたる不調が現れやすいのが特徴です 。なかでも、肩こり、腰痛、手足の痛みといった関節や筋肉の痛みは、更年期世代の方が抱えやすい悩みの一つとして挙げられています 。
更年期にみられる腰痛はどんな痛みなのでしょうか。40代、50代以降の更年期世代の腰痛の特徴と要因、日常生活でできる対策についてわかりやすく解説します。
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更年期に腰痛の症状がある人の割合

(Konoら,1990)1)によると、日本人女性の閉経年齢は約50歳前後と報告されています。閉経を挟んで前後5年、合わせて10年間が更年期と呼ばれています2)。
更年期には身体症状や精神症状などさまざまな症状がみられるのが特徴です。更年期でみられる症状の一つに肩こり、腰痛、手足の痛みなどの関節痛や筋肉の痛みが挙げられます。
厚生労働省の「更年期症状・障害に関する意識調査」において、肩こり、腰痛、手足の痛みの症状がある(症状が強い・中くらい・弱いの合計)」と回答した女性の年代別の割合は以下のとおりです。
| 肩こり、腰痛、手足の痛みを自覚している人の割合 | ||
| 時代 | 女性 | 男性 |
| 20~29歳 | 53.6% | 24.7% |
| 30~39歳 | 54.1% | 28.1% |
| 40~49歳 | 61.0% | 36.8% |
| 50~59歳 | 67.3% | 46.2% |
| 60~64歳 | 61.3% | 50.9% |
出典:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」3)をもとに著者が作成
腰痛などの更年期症状を自覚している女性は40代で6割を超え、50代で最も多くなっています。
更年期障害は女性のみに起こるわけではありません。男性の更年期障害もおおよそ40歳以降にみられるとされています3)。
男性でも腰痛を含む筋肉痛や関節痛の更年期症状はみられ、自覚している人の割合(症状の程度が極めて重度~軽度までの合計)は年齢とともに増加する傾向がみられています。
これらの結果から、腰痛を含む関節や筋肉の痛みは、更年期世代で自覚されやすい症状の一つであると言えるでしょう。
関連記事:寝れないのは坐骨神経痛が原因?夜に腰痛が強くなる理由とおすすめの寝方
更年期の腰痛はどんな痛み?特徴とは

更年期世代の腰痛は、次のような特徴があると報告されています4)。
- ・ぎっくり腰のように突然起こる強い痛みというより、腰の重だるさやこわばりとして自覚されることが多い
- ・痛みの感じ方には鈍い痛みから強い痛みまで幅がある
- ・その日の体調や活動状況によって痛みの程度が変わる
・朝の動き始めに腰が固まったように感じ、体を動かすうちに軽減する場合もある - ・同じ脊椎の状態であっても痛みを感じない人もいれば、強い痛みを訴える人もいる
更年期の腰痛は、組織の変化だけで説明できる症状ではありません。身体の状態に加えて心理的・社会的要因が関与するいくつもの要因が重なって起こる痛みとして理解されています4)。
関連記事:デスクワークが関係?ひどい腰痛のときに考えられる病気
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更年期に腰痛が増える理由

更年期に腰痛が多くなる理由として、ホルモン変化との関連が示唆されています。
女性では更年期前後にエストロゲンが大きく変動する時期であり、脊椎の椎間板や軟骨などの組織、骨代謝、さらに痛みを感じる調節機能にも影響する可能性が報告されています5)。
このような変化により、これまでは痛みとして感じていなかった刺激であっても、更年期では痛みとして感じやすくなる場合があります。
男性の更年期症状は男性ホルモン(テストステロン)の低下に伴って起こると考えられていますが、病態は複雑で十分にわかっておらず、更年期に腰痛が生じる仕組みについても解明されていません3)。
関連記事:【医師監修】自律神経と痛みの関係|慢性疼痛の軽減方法とは
日常生活でできる更年期の腰痛対策

更年期の腰痛は、組織の損傷だけでなく、身体・心理・社会的要因が関与する複数の要因が重なって起きる痛みとして理解されています4)。そのため、対策も一つに絞るのではなく、いくつかの方法を組み合わせて対策していくことが大切です。
1. 体を動かす習慣を保つ
痛みがあると安静にしたくなりますが、過度な安静はかえって痛みの持続につながることがあります4)。
ウォーキングや軽い体操など、腰への負担の少ない活動を継続することで、筋肉や関節のこわばりの軽減が期待されます。
2. 生活リズムと睡眠を整える
更年期は寝つきが悪い、眠りが浅いなどの睡眠の質の低下もみられやすい症状の一つです3)。睡眠の質の低下は新たな慢性疼痛を招いたり、もともとある痛みを増強させる可能性が報告されています6)。
就寝時間を一定にする、就寝環境を整えるなど、毎日質の良い睡眠をとる環境づくりが大切です。
3. 痛みに対する不安をため込まない
「原因がわからない痛み」は不安を強め、痛みをより強く感じさせることがあります4)。
痛みの背景を理解し、適切なケアや治療につなげるためにも、必要に応じて医療機関へ相談することも対策の一つです。
関連記事:痛みのサイクルを断ち切る!慢性疼痛の運動療法ガイド
更年期の腰痛対策は自分の痛みにあったケアが大切

更年期の腰痛は、レントゲンやMRIに映る異常だけでは説明できない場合が少なくありません。
同じ画像所見でも痛みの強さが異なることがあるように、痛みには身体の状態だけでなく、生活環境や心理状態も関係すると考えられています4)。
そのため、更年期の腰痛では、画像所見のみで判断せず、生活背景や活動状況、痛みへの不安なども含めて腰痛の背景を整理していくことが大切です。
森整形外科リハビリクリニックでは、画像では判断できない腰痛について理解の深い医師やスタッフが在籍しています。丁寧なヒアリングや検査で腰痛の背景を探り、お一人おひとりの状態に合わせた運動療法や薬物療法、注射治療、心理療法、日常生活のアドバイスなどを組み合わせて痛みの軽減を目指していきます。
普段の生活の中で気になった症状やお悩みごとはLINEにて相談も可能です。腰痛を「原因不明」「どうせ変わらない」と終わらせるのではなく一緒に確認し、状態に合ったケアをおこなっていきましょう。
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痛みや違和感は、迷っているうちに長引くこともあります。
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ライター

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- 参考
- 1) S Kono,Y Sunagawa,H Higa,H Sunagawa.Age of menopause in Japanese women: trends and recent changes.Maturitas.1990;12(1):43-49
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2333036/
- 2) 厚生労働省|第3回 女性の健康づくり推進懇談会議事次第 資料5女性の生涯健康手帳(抜粋)全体版(PDF)
- https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/s0613-8.html
- 3) 厚生労働省|「更年期症状・障害に関する意識調査」について 基本集計結果(2022年7月26日)
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index_00009.html
- 4)Hartvigsen J, et al. What low back pain is and why we need to pay attention.Lancet, 2018.2018;391(10137):2356-2367
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29573870/
- 5) Julia Chagas、Gabrielle Gilmer、Gwendolyn Sowa et al.Impact of Menopause and Associated Hormonal Changes on Spine Health in Older Females: A Review.Cells.2026;15(2):148
- https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12839056/
- 6) Patrick H Finan,Burel R Goodin,Michael T Smith.The association of sleep and pain: An update and a path forward J Pain.2013;14(12):1539–1552
- https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4046588/

