股関節に負担をかけない寝方
股関節に負担をかけない寝方
執筆者 理学療法士 宇都宮雅人
監修者 整形外科医師 森裕展
股関節へ負担をかけない寝方について、臨床でリハビリを提供している理学療法士の視点から説明していきます。また、その理論背景についても解説させていただきます。 家にあるものだけで簡単にできる内容であり、実際の患者様にも指導している内容となります。 寝る時に股関節が痛い方、慢性的に股関節に痛みを抱えている方は、是非最後までご覧ください。
股関節に負担をかけない2つの寝方
股関節に負担の明けない寝方は2種類あります。
① 仰向けで膝を高くする方法
② 負担をかけたくない股関節を上に、横向けになる方法
①仰向けで寝る方法では、膝の下にまくらや畳んだタオルを置いて、膝の位置を高くします。 ②横向けで寝る方法では、負担をかけたくない股関節を上にした状態で股関節と膝を曲げ、床と下肢の間にまくらや畳んだタオルなどを置き、安定させます。
後に画像付きで説明させていただきます。
なぜこの2つの寝方が股関節に負担をかけないのか
ポイントは股関節の角度です。
股関節を軽く曲げて外に開いた状態が、靭帯や関節包などが一番緩む角度で、股関節に対するストレスが少ないと言われています。
つまり、仰向けや横向けの状態で股関節を一番ゆるむ位置に調整することが大切なのです。
具体的な方法
必要なもの:クッション(枕やバスタオルを畳んだもので代用可能)
① 仰向けの場合
仰向けに寝た状態で膝の裏にクッションを置き、軽く膝を開きます。
② 横向けの場合
痛みがある股関節を上にします。両膝の間にクッションを挟みましょう。太もも~膝~ふくらはぎの内側にクッションが当たるようにします。体側よりも膝の位置を高くします。膝に対して、足首の位置を低くします。
下の足を伸ばす方法もあります。やりやすい方を選んでください。
負担がかからない角度は人によって変化します。ゆるみの位置を念頭に置き、一番楽な状態を見つけてください。
まとめ
・股関節に負担をかけない寝方は2種類ある。仰向けと横向け
・股関節がゆるむ位置(軽く曲げて外に開く)に調整し、ストレスを軽減する
・仰向けの場合:膝裏にクッションを置いてゆるむ位置へ近づける
・横向きの場合:痛いほうを上に、床と下肢の間にクッションを敷いてゆるむ位置へ近づける
・ゆるみの位置を念頭に置き、自身が一番楽な状態を見つける
最後に
今回、股関節に負担をかけない寝方を解説させていただきました。これは、数ある股関節へのアプローチの一部です。 股関節の痛みについては単純な疲労やケガ、骨関節疾患から精神的なストレスに起因するものまで様々な原因があり、アプローチも多様です。
痛みが長引く場合はその痛みが新たな問題へつながり悪循環になる事もあります。 自己判断で改善が見られない場合は、整形外科の受診をお勧めします。 医師により診察、理学療法士による評価を行うことで痛みの原因を探り、ピンポイントでアプローチを行うことが出来ます。
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