【医師監修】歩けるけど痛いぎっくり腰の対処法&ストレッチ4選
執筆者 理学療法士 宇都宮雅人
監修者 整形外科医 森裕展
「ぎっくり腰になってしまった、、、今は歩けるけど、仕事に行っても大丈夫かな・・・?」
とご不安のあなたへ
こちらの記事では ぎっくり腰についての説明や
”歩けるけど痛いぎっくり腰”の対処法やストレッチについてお伝えさせて頂きます!
また、リハビリの現場で実際に見聞きした、ぎっくり腰中の”以外な注意点”も最後にお伝えします!!
まずは『ぎっくり腰』かどうかをチェック
いわゆる”急性の腰痛”の事をぎっくり腰と言います。
腰痛の原因は様々で、筋肉痛的な症状の軽いものから、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折あるいはがん等の重篤なものまで幅広くあります。
下記のような症状がある場合は、無理に仕事には行かず、一度整形外科を受診されることをお勧めします。
・腰から足へかけて痺れなどがある
・下肢を触ったりした時の感覚がわかりにくい
・下肢に力が入りにくい
・尿や排便などの感覚がわかりにくい
・歩けないほどの痛みがある
・痛みが長引いている
筋肉痛的な原因ではなく、そのほかの重篤な疾患が隠れている”可能性”があります。
今回の対処法やストレッチは、上記のような重篤な症状がなく、筋肉痛などが原因で痛みが出ているが歩くことは割と普通にできる場合、と言う前提でお伝えさせて頂きます。
ぎっくり腰についての医学的な定義(参考)
・ぎっくり腰とは?
日常最も多い急性腰痛。重量物を不自然な姿勢で持ったり、極端に腰をひねったりしたときに激烈な痛みとなって生じる。
痛みの発生部は、後縱靭帯や椎間板繊維輪の内圧上昇による繊維輪の破綻で同神経を刺激した場合、または椎間関節包の断裂による椎間関節捻挫と考えられている。
実際は、急性の”筋筋膜性腰痛”も多く含まれている。
出典:整形外科疾患の理学療法
・筋筋膜性腰痛とは?
「いわゆる腰痛症」と言われるもので、異常姿勢や長時間にわたる負荷により筋疲労が生じ、そのため筋痛を生じるもの。腰痛患者の中で最も多い。症状は腰部痛や腰部の重圧感で、下肢のしびれ・放散痛は伴わない。
出典:整形外科疾患の理学療法
腰が痛いけど歩ける場合の対処法
簡易コルセット
コルセットを装着することで、腹圧を上げやすくなります。また腰の動きを多少固定(動かしにくく)することで負担の軽減ができます。
注意点:コルセットを長期に渡り使用すると、体幹の筋肉の働きが弱くなると言われています。
痛みが軽減すれば、できるだけ早く外すように心がてください。
腰に負担をかけない体の使い方
主に、ものを持ち上げる時の体の使い方についてお伝えします
物体が腰から離れれば離れるほど、持ち上げる際に腰に負担がかかります。
重いものを持つ時、腰が曲がると負担が増えるので、腰はできるだけまっすぐにする必要があります。
そのためには、股関節をしっかりと曲げて使うことが重要です。
重いものを持ち上げるときは以下のようにしてみて下さい。
『動画準備中』
①持ち上げるものへ出来るだけ近づく(物と腰の位置を近づける)
②股関節、膝をしっかり曲げてしゃがむ。腰と背中が丸まらないように注意
③太ももやお尻に力を入れて、腰、背中を曲げずに立ち上がる
4つのストレッチ
取り組む際の注意点
ストレッチによって腰の痛みが増える場合や、腰から足にかけて痺れるが感じられる場合はストレッチを中止してください。
腰の筋肉を痛めている場合、腰の筋肉そのものをストレッチすると、痛みが増強する可能性があります。
”腰の動き”や”腰の筋肉”へつながっている筋肉のストレッチを行うことで、結果的に腰の負担を減らすことが可能です。
股関節
股関節が動かしにくい(硬い)場合、必要以上に骨盤、背骨
の動きが大きくなります(代償動作)その結果、骨盤の上に位置する腰へ負担が集中することがあります。
お尻ストレッチ(大臀筋)
股関節を動かしやすくするためのストレッチです。
大臀筋が硬くなれば、股関節が動かしにくくなります。
この筋肉をストレッチすることで、股関節の動きを良くして腰の負担を軽減することができます。
もも裏ストレッチ(ハムストリングス)
ハムストリングスは脊柱起立筋(腰の筋肉)と筋膜でつながっています(Superficial Back Line)
出典:アナトミー・トレイン徒手運動療法のための筋膜経線
この筋肉をストレッチすることで、腰の筋肉のリラクゼーション効果が期待できます。
また、股関節を動かしやすくする効果もあります。
ふくらはぎストレッチ(下腿三頭筋)
ふくらはぎ~もも裏~腰までの脊柱起立筋は筋膜でつながっています(Superficial Back Line)
出典:アナトミー・トレイン徒手療法のための筋膜経線
こちらの筋肉をストレッチをすることで結果的に腰の筋肉の負担を下げることができます
肩甲骨
肩甲骨周辺が硬くなると、背中の動きが悪くなります。
背中が硬い場合、腰が本来の動きより、余分に動かないといけなくなるので負担が増強し、腰痛へつながることがあります。
肩甲骨回し
⭐︎整形外科がお教えする意外な注意点⭐︎
くしゃみ
腰痛がひどい時は、くしゃみの衝撃も負担になります。両手で何かに捕まってからくしゃみすることで、負担の軽減ができます。
階段
段差を上がる瞬間や降りる瞬間、片足で体重を支えている時に負担が増えることがあります。手すりを利用したり、スロープやエスカレーターなどを使うと良いでしょう。
自転車走行中の段差
小さい縁石などを乗り越えた際の着地の衝撃は、お尻を介して直接腰へ負担がきます。なるべくスピードを落として乗り越えるか、
段差のあるところだけ立ち漕ぎすることで膝と股関節のバネを使い負担を和らげることができます。
靴紐
靴紐を結ぶ際、どうしても前屈みになる必要があります。腰痛がひどい時は、その前屈みでもご負担になるでしょう。
できれば靴紐の無い履きやすい靴を選び、長い靴べらを使用して腰の動きを最小限にして靴を履く工夫をしましょう。
まとめ
歩けるけど痛いぎっくり腰の対処法
簡易コルセット 腰に負担をかけない体の使い方
お尻のストレッチ もも裏のストレッチ ふくらはぎのストレッチ 肩甲骨のストレッチ
意外な注意点
くしゃみ 階段 自転車走行中の段差 靴紐
最後に
今回は、歩けるけど痛いぎっくり腰について、ストレッチや対処方法、以外な注意点をお伝え足ました。
腰の痛みの原因は多岐に渡ります。痛みが長続きしている場合や、急に強くなった場合は、一度近くの整形外科を受診することをお勧めします。
監修者 整形外科医 森裕展
執筆者 理学療法士 宇都宮雅人